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ITのモダナイゼーションが重要な理由

効率、俊敏性、セキュリティの実現

AI導入による競争優位性確保という、経営陣が負っているプレッシャーは重みを増しています。したがって、先進企業(アプリケーションのモダナイゼーションを前倒しで進めている企業)の64%が、

今後1年間でAIとアプリの統合にさらに注力する意向であることを『2026年版Cloudflareアプリイノベーションレポート』が報告していることは、驚くべきことではありません。

問題点:同先進企業のうち、自社ITインフラがAIイニシアチブに対応できると確信しているのはわずか28%に過ぎず、自律型AIシステムのセキュリティを確保できると回答した企業は31%に留まっています。コストの増大、ビジネス価値の不明確さ、不十分なリスクコントロールなどを理由に、Gartnerは、2027年末までにエージェンティックAIプロジェクトの40%以上が中止されると予測しています。

問題は野心ではなく、アーキテクチャなのです。経営幹部レベルの技術リーダーは、イノベーション促進を担っていますが、レガシーシステムの老朽化、脆弱な統合、時間の経過とともに継ぎはぎされたセキュリティギャップが、企業の成長を妨げ続けています。

この課題はAIに限ったことではありません。レガシーシステムではイノベーションは繁栄しません。モダナイズされたアプリケーション、接続データ、およびセキュアで拡張性のあるインフラがなければ、イノベーションプロジェクトはパフォーマンスが低下するか、コストのかかる失敗に終わるでしょう。技術的負債、サイロ化データ、セキュリティ問題などが、成功を妨げる形で増大することになるのです。

AIやその他の新技術を最大限に活用するため、IT先進企業はITモダナイゼーションに対する経営陣の賛同と予算承認を得る必要があります。そのためには、説得力のあるビジネスケース作成が不可欠です。重要なのは、モダナイゼーションの根本的再構築です。経営陣にITモダナイゼーションの必要性を理解させるには、任意のアップグレードとしてではなく戦略的必須事項として、またコストセンターとしてではなく成長を実現する要因として適切に位置づけ、IT投資がいかにイノベーションの加速、収益性の向上、顧客体験の向上に直接つながるかを納得させることです。


企業にITモダナイゼーションが必要な理由

ITモダナイゼーションには、早急なイメージ刷新が求められています。ITインフラの更新は、新しいプラットフォームや製品の立ち上げほど魅力的なものではありません。そのため、モダナイゼーションは往々にして、都合の良い時だけ中途半端に取り組まれる「雨の日のプロジェクト」となり、すぐに見栄えのする顧客対応業務に取って代わられてしまうのです。

しかし、アジャイルで、付加価値を高めるITチームがなければ、企業は顧客の需要の変化や市場の混乱に効果的に対応できません。また、ITチームが老朽化するインフラのメンテナンスや再発するパフォーマンス問題への対処に時間を費やしていては、アジャイルで、新たな価値を生み出すことはできません。

AIや自動化のような大きな賭けには、十分なIT人材だけでなく、モダナイズされたインフラも必要です。実際、Cloudflareの調査によると、ITリーダーの49%がAIが新たなモダナイゼーション推進の最大の要因であると回答しています。その結果、90%近くの企業が、来年はアプリのモダナイゼーション予算がわずかに増加すると予想しています。

適切な投資があれば、モダナイゼーションは自己強化のサイクルになります。効率性やアジリティの強化、コストと時間の削減は、社内投資をさらに増大させるビジネスケースにつながります。このような大きな投資は、ビジネスの長期的な成長を促進し、モダナイゼーションが単なるメンテナンスではなく、戦略的成長の手段であることを実証しているのです。

モダナイズされ、セキュア且つスケーラブルなインフラを能動的にメンテナンスすることで、ITチームは、より迅速に行動し、顧客のニーズに適応し、インパクトのあるイニシアチブをより早く立ち上げることができます。レガシーシステムをさらに追加・再構築したり、セキュリティギャップを修正したり、サイロ化したデータを解消したりするために時間や人材を浪費する代わりに、市場の変化の風に応えて柔軟かつセキュアな基盤が構築されるのです。

分かりやすく言い換えると、モダナイズされたインフラを駆使するITチームは、競争力、収益性、イノベーションに集中して取り組むことができ、さらなる書き換えは不要になるのです。


モダナイゼーションは成長の推進力

ITのモダナイゼーションを推進する際には、その戦略がビジネスリーダーの共感を得られるビジネス成果に焦点を当てることを確実にしましょう。すでに同じ課題を共有してくれている技術チームを惹きつける成果ではなく、経営陣が重視する成果に注力すべきです。特に、技術的負債の削減、成長促進、顧客体験の向上、アジリティ向上、セキュリティ強化といったビジネス上の利点に焦点を当てましょう。

技術的負債の削減

レガシーシステムは、古いコードや不論理な回避策で生じていることが多く、保守に費用がかかり、安全性が低く、遅く、信頼性が低く、管理にリソースを要します。多くの実践的サポートが必要なため、ITチームが新たな機会を活用できなくなります。モダナイゼーションを行わなければ、技術的負債は積み上がり、時間の経過とともにコストが増大する一方です。

実際、全企業の40%が、開発者の時間に制約があるためにモダナイゼーションに苦労していると『2026年版Cloudflareアプリイノベーションレポート』で報告されています。アプリケーションのモダナイゼーションを先倒れで行っている企業のうち、半数以上が、開発者の取り組みを既存システムの保守とモダナイゼーションに集中させていると回答しています。こうしたリーダーは、モダナイゼーションによる技術的負債の削減に積極的に取り組むことで、国際展開やAI利用の拡大、新製品やアプリケーションの発売など、機敏に対応することができます。

対照的に、アプリケーションのモダナイゼーションの取り組みが遅れている企業は、事後対応型であり、コンプライアンス要件の充足、クラウドやAIの導入、セキュリティ侵害への対応など、現状の活動に延々と追われる傾向があります。未来に向けた革新ではなく、今日に追いつくことに忙しいのです。

グローバルな成長を推進

大手企業は、柔軟性に欠けるITが世界的な成長を妨げるようなことを避けます。アプリケーションは、世界中の顧客のために安全で、可用性があり、高パフォーマンスである必要があると認識しています。IT部門がサイロ化し、安全でなく、技術的負債に悩まされている状況では、その実現は困難です。

スケーラビリティのビジネスケースは、妨げられることのない成長です。殆どの企業は、グローバルなユーザーをベースにしたサポートは容易だと考えています。Cloudflareの調査では、71%の企業がそう評価しています。しかし、コンプライアンスの確保、一貫した顧客体験の提供、グローバル市場でのアプリケーション管理は、依然として本当の意味での運用可視性に対する根強い障害となっています。

モダナイゼーションは何も犠牲にしない拡張を可能にし、成長志向の経営陣の共感を得ることができるに違いありません。最新のクラウドネイティブまたは分散型システムに投資する企業は、顧客体験に影響を与えることなく、需要の増加に適応し、拡張することができます。レジリエントで、事業をどんな場所で展開しても市場シェアを獲得する準備ができています。

カスタマーエクスペリエンスを向上

動作が遅い、または応答しないWebサイトやアプリケーションは、ユーザーを苛立たせ、顧客維持率を低下させます。実際、Cloudflareの調査の報告によると、アプリケーションの応答が遅い、あるいは完全に動作しなくなった場合、ユーザーの不満が増加すると回答した企業は44%に上ります。同様に、46%のユーザーはパフォーマンスの遅いWebサイトをまったく再訪しないため、顧客離れがさらに進んでゆきます。

最新の統合プラットフォームは、顧客が期待するより高速で信頼性が高く、パーソナライズされたインタラクションを提供するため、モダナイゼーションはユーザーエクスペリエンスの測定可能な向上に直結し、収益アップにもつながります。一方、レガシーシステムの修理から解放された開発者は、エージェンティックAIカスタマーサービスボットや的を絞った製品レコメンデーションなどの顧客体験を向上させる機能に集中することができます。

アジリティとケーパビリティの向上

ITモダナイゼーションにより、企業は市場の変化や顧客の需要にすばやく適応できるようになり、アプリケーションの安全性、拡張性、耐障害性が向上します。絶え間ないシステムメンテナンスやリスク解決に時間を浪費することなく、チームは顧客体験の向上やローンチサイクルの短縮など、価値の高い仕事に集中することができるのです。

セキュリティの強化

セキュリティは、モダナイゼーションに関するビジネス上の最も説得力のある論拠の1つです。ITへの投資不足は、セキュリティ上の隙間が持続しやすくなり、悪意のある攻撃者が脆弱性を見つけて悪用し、フィッシング攻撃からサプライチェーン攻撃に至るあらゆる行為を実行する余地を与えてしまいます。これは、進捗の停滞、生産性の低下、罰金、風評被害など、非常に現実的なビジネス上の影響をもたらします。実際、実際、Cloudflareの調査によると、企業の37%がシステム復旧と復元がセキュリティイベント関連のコストで最も顕著な要因であると回答しています。

モダナイゼーションには、セキュリティとレジリエンスを組み込む必要があります。「セキュリティ・バイ・デザイン」の考え方でアプリケーションをモダナイズすることで、ITチームはセキュリティインシデントの解決に費やす時間を減らし、セキュアなインフラに投資する時間を確保することができるのです。脅威の検出と対応を自動化し、アプリケーションインフラを統合して、セキュリティをアプリケーションモダナイゼーションの取り組みと整合させることができます。

経営陣にプレゼンテーションを行う際は、モダナイゼーションが単なる技術的なアップグレードではなく、リスクを軽減し、評判を保護するものであることを明確に説明してください。デジタル基盤が確保されたことで、ITチームは、顧客ニーズの変化、競争優位性の確保、市場投入までの時間の短縮に集中することができるのです。


デジタルファーストのイノベーションへの投資

モダナイゼーションはイノベーションを可能にします。単なるサポート機能ではなく、ビジネスの推進力なのです。行動しないことの代償は現実的なものです。遅延が年々重なることで、技術的負債が蓄積され、ITリソースが消耗し、デジタルリーダーと取り残される人々とのギャップが広がっています。

この点を踏まえ、ITリーダーはビジネス的な観点からモダナイゼーションの必要性を主張する必要があります。ITモダナイゼーションはコスト削減、生産性向上、顧客第一の競争力強化を促進すると同時に、リスク低減にも寄与するのです。優秀な開発者は、レガシーシステムではなく、最新のツール、クラウドインフラ、AI、自動化を運用したいと考えているため、優れた人材を惹きつけることができるのです。

Cloudflareは、拡張、イノベーション、顧客体験の向上をサポートするためのアプリケーションとインフラのモダナイゼーションをお手伝いいたします。特に、Cloudflareのコネクティビティクラウドにより、モダナイゼーションの取り組みの価値実現までの時間を短縮することができます。セキュリティ、接続性、開発のための統合プラットフォームを提供し、高速でグローバルな可用性、耐障害性、高度なインタラクティブ性を備えた顧客向けアプリケーションの開発を加速します。

Cloudflareのプラットフォームは、断片化されたネットワーク上には構築されず、統合され、構成可能であるため、開発の迅速化、運用コストの削減、インフラストラクチャのアジリティの向上につながります。

この記事は、技術関連の意思決定者に影響を及ぼす最新のトレンドとトピックについてお伝えするシリーズの一環です。


このトピックを深く掘りさげてみましょう。

『2026年版Cloudflareアプリイノベーションレポート』から、最新のアプリケーションモダナイゼーションのトレンドと業界リーダーが共有する主要な戦略をご覧ください。

著者

Mike Hamilton — @mikehamilton
Cloudflare CIO


記事の要点

この記事では、以下のことがわかるようになります。

  • モダナイズされたITがAI新興技術に不可欠な基盤である理由

  • モダナイゼーションが市場投入のスピードと継続的イノベーションを加速する方法

  • リーダーシップに関連する疑念を克服し、資金調達を確保するための実績ある戦略


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