バッファリングとは?| 動画ストリーミングにおけるバッファリング

バッファリングはストリーミングの仕組みを支える核心部分ですが、低速なバッファリングは視聴者のイラつきの原因になります。バッファリングが低速になる原因には多くの可能性がありますが、幸いなことに、その速度を改善する方法も数多くあります。

学習目的

この記事を読み終えると、以下のことができるようになります。

  • バッファリングの定義を理解する
  • バッファリングが低速になる主な原因を探る
  • バッファリング速度を向上させる方法を学ぶ

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バッファリングとは?

バッファリングとは、動画コンテンツをストリーミング再生する際に、あらかじめデータセグメントをロードしておくことです。ストリーミング(サーバーからクライアントへの音声または動画ファイルの連続送信)は、オンラインで動画を視聴を可能できるようにするプロセスです。バッファリングを使用すると、動画全体がロードされる前に動画の再生を開始できるため、ストリーミングをよりスムーズに実行することができます。バッファリングプロセスのおかげで接続が一時的に中断された場合でも、事前にロードされたコンテンツの部分であればストリーミングを継続することができます。

動画プレーヤーにバッファリングされたコンテンツが読み込まれます

バッファリングは、ストリーミングプロセスの中核をなす要素です。しかし、多くの視聴者はこのことに気づいておらず、意識するのは遅くなった時やストリーミングが中断された時だけです。このため、視聴者はコンテンツの読み込みの遅れを表現するために、「バッファリング」という言葉を使うことがあります。

バッファリングは、食料品店の棚卸し作業に例えることができます。食料品店は在庫を管理することで、棚の補充を容易にし、お客様に迷惑をかけないようにすることができます。食料品店のお客様は通常、欲しい商品がない場合を除いて買い物をする際に在庫管理プロセスについて考えることはありません。それと同じように、動画プレーヤーは、動画セグメントを事前ロードしておくことで、視聴体験を妨げないようにしています。

動画セグメントとは?

すべてのストリーミング動画は、数秒の長さの小さなセグメントまたは動画フレームに分割されます。これにより、動画ファイル全体を一度にサーバーからクライアントに転送する必要がなくなり、動画の一部だけを読み込んだ状態でストリーミングを開始することができます。動画の再生が始まると、残りのセグメントが読み込まれ、準備が整った時点で再生されます。

バッファリングに時間がかかることがある理由は?

バッファリングは様々な理由で低速で行われる場合があります。一般的に、これらの問題はユーザー側かネットワーク側のどちらかにあります。後者はインターネットサービスプロバイダ(ISP)またはストリーミングプラットフォームを意味します。

ユーザーレベルの問題

  • Wi-Fiの帯域幅:Wi-Fi接続は、ローカルネットワークの一種です。どのネットワークにも帯域幅の制限、つまり一度に通過できるデータの最大量に限りがあります。ネットワークが最大帯域幅に近づいている場合、コンテンツのバッファリングは遅くなります。たとえば、金曜日の夜に5人が5種類の動画を同じWi-Fiネットワークを使用してストリーミングしようとしている場合、動画のバッファリングが遅くなることがあります。
  • インターネットの速度低下:モデム/ルーターに問題がある場合やWi-Fiの信号が弱い場合も、インターネット接続を遅くし、バッファリング速度を低下させる原因になります。例えば、デバイスとルーター間の距離も、無線接続が弱くなる原因になります。ルーターが古い、または損傷している場合もWi-Fiの信号が弱くなり、インターネットのパフォーマンスを低下させる原因になることがあります。
  • デバイスまたはクライアントの問題:高性能なインターネットを使用した場合でも、現在のインターネット速度の基準に追いついていない可能性のある古いデバイスでは、バッファリングの速度が低下することがあります。さらに、ブラウザによってコンテンツをストリーミングする能力が異なるため、ブラウザの選択もバッファリングが遅くなる一因となることがあります。
  • HDコンテンツ:高解像度(HD)の動画コンテンツのストリーミングは、Wi-Fiネットワークの帯域幅の限界を試す存在にもなります。HD動画の1フレームあたりに含まれるデータ量は、標準画質(SD)の動画よりも多くなっています。フレームあたりのデータが多いということは、デバイスがより大きな動画セグメントをより多くのデータパケットでダウンロードしなければならないことを意味し、バッファリングが低速になる可能性が高くなります。

ネットワークレベルの問題

  • ISPの問題:ローカルのWi-Fiネットワークに輻輳の問題やその他の障害が発生することがあるように、ISPにも同じことが言えます。ISPが障害やサービスの中断を経験している場合、その顧客はデータをスムーズにダウンロードすることができず、再生されたとしてもコンテンツのバッファリングは低速になります。
  • ストリーミングプロバイダーの問題
    • ネットワークへの負荷:世界中で多くの人がコンテンツを要求すると、ストリーミングプロバイダーのネットワークに負荷がかかることがあります。ストリーミングプロバイダーが過負荷になると、これらの要求への応答に遅れが生じます。
    • レイテンシー:ユーザーの操作からアプリケーションの応答までの時間(レイテンシー)は、ストリーミングプロバイダーが抱える共通の問題です。レイテンシーはサーバーの距離によって発生することが多くあります。ストリーミングプロバイダーのサーバーがユーザーから遠すぎる場合、データパケットがユーザーに送信され、コンテンツが読み込まれるまでに時間がかかります。
    • TCP接続:Transmission Control Protocol(TCP) は、Internet Protocol(IP)と連携してサーバーとクライアント間の接続を維持し、データパケットが順番に配信されるようにします。TCP接続が切断されると、クライアントがサーバーからコンテンツを受信できなくなり、バッファリングが低速になったり、コンテンツの再生が完全にできなくなったりする可能性があります。

バッファリング速度を向上させる方法

バッファリング速度の向上にはさまざまな方法があります。ただし、推奨される方法は問題の主な原因によって異なります。

ユーザーレベルの問題

  • Wi-Fiの帯域幅:帯域幅の制限がバッファリングの速度低下の原因になっている場合、ユーザーはインターネットの使用を制限するか、インターネットパッケージをアップグレードすることができます。
  • 低速インターネット:デバイスとルーターを物理的に接続するイーサネットケーブルは、多くの場合、デバイスのインターネット速度と信頼性を向上させます。
  • デバイスまたはクライアントの問題:古いコンピュータを使用している場合、いくつかのタブを閉じる、または新しいデバイスの使用を試してください。または、別のブラウザでコンテンツをストリーミング再生することで改善する場合があります。

ネットワークレベルの問題

ユーザーがISPやストリーミングプロバイダーの障害やサービス停止を解決することはできませんが、問題がユーザー側にないかどうかを診断するために、使用しているサービスの状況を追跡してみる価値はあります。ほとんどのISPやストリーミングプロバイダーでは、サービス更新に関するWebページやソーシャルメディアのアカウントを管理して定期的にステータスを更新しています。

ストリーミングプロバイダーがお客様のバッファリング速度を改善できる方法は?

ストリーミングプロバイダーは、バッファリング速度の低下を発生させないための重要な役割を果たします。例えば、ストリーミングプロバイダーは、ニーズに合わせて適切なエンコーディングフォーマットを選択することで、動画コンテンツを最適化することができます。動画のエンコーディングは、動画コンテンツの圧縮と、さまざまなプラットフォームと互換性のある形式への変換を含んでいます。圧縮処理によってファイルサイズが小さくなり、スムーズな再生が可能になります。

ストリーミングプロバイダーは、動画コンテンツ配信ネットワーク(CDN)ソリューション(Cloudflare Stream など)を利用する必要もあります。CDNは、コンテンツをコピーして保存(キャッシュ)してエンドユーザーに配信するサーバーグループです。動画CDNは、動画コンテンツをサポートするために設計されています。動画CDNを使用することで、レイテンシーが低減され、バッファリングプロセスが高速化されるため視聴者は中断することなくコンテンツをストリーミングできます。