チャットボットとは?

チャットボットは、人間との会話をシミュレートするのに使用されるコンピュータープログラムです。チャットボットには多くの有益な用途がありますが、悪意のある目的で使用されることもあります。

学習目的

この記事を読み終えると、以下のことができるようになります。

  • チャットボットを定義する
  • ルールベース型のチャットボットとAI型のチャットボットの違いを理解する
  • チャットボットの有益な用途を挙げる
  • チャットボットの悪意のある使い方を理解する

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チャットボットとは?

吹き出し付のチャットボット

チャットボットは、音声またはテキストベースの会話にて人間と対話するために設計されたコンピュータープログラムです。チャットボットには、パーソナルデジタルアシスタントやカスタマーサポートのボットのように多くの有益な用途があります。残念ながら、チャットボットは、スパムを広げるなどの悪意のある目的に使用されることもあります。

チャットボットの仕組み

機能面では、チャットボットには主に2つのタイプがあります。ルールベース型チャットボットと人工知能AI型チャットボットです。

ルールベース型のチャットボット

こうしたボットは、設計者が作成した一連の固定ルールに基づいてレスポンスを提供します。通常、こうしたボットは、インプット(ユーザーが入力または話すテキスト)にキーワードがないかスキャンして、そうしたキーワードに基づいてレスポンスを提供します。

たとえば、ルールベース型のチャットボットに「今度のバスケットボールの試合をすごく楽しみにしている」と伝えると、ボットは「バスケットボール」や「試合」といったキーワードに反応して、「お気に入りのスポーツチームを教えて」と応答することができます。

ルールベース型のチャットボットは、単純なルールセットに基づいて動作しますが、こうしたボットは多くの基本的な対話のチューリングテスト*に合格するのに十分効果的であることが多いです。ただし、込み入った会話になると、AI型のチャットボットの方が説得力があります。

*有名な数学者アラン・チューリングが提案したチューリングテストは、ある機械が「人間的」かどうかを判定するためのテストです。人間が人間と機械のどちらと対話しているかわからない場合、その機械はチューリングテストに合格したことになります。

AI型のチャットボット

AI型のチャットボットは、機械学習を利用して人間と対話しながら学習します。AI型のチャットボットは、特定のキーワードだけでなく、言語を理解するように設計されています。AI型のチャットボットの魅力は、現実的な人間の会話をシミュレートするのにはるかに効果的であるということです。しかし、AI型のチャットボットは、設計および管理するのに非常に困難であり、訓練には膨大なデータとコンピュティングリソースが必要になります。また、こうしたボットでの設計上の欠陥は、奇妙な動作や望ましくない動作を引き起こす可能性があります。

近年、AI型のチャットボットを動作させるために、大規模言語モデル(LLM)がますます利用されるようになってきています。LLMは、テキストを解釈して生成することができるAIプログラムの一種です。LLMは、人間のテキスト生成能力を模倣することに長けています。

チャットボットの用途

現在チャットボットの最も一般的な用途は、カスタマーサポートとデジタルパーソナルアシスタントです。普及し始めている用途がほかにもいくつかあります。

カスタマーサポート

こうしたボットは、WebサイトやWebアプリケーションで見かけることが多いです。ユーザーを製品ページや関連記事に誘導することから、複雑な技術ソリューションを案内するまで、機能は多岐にわたります。こうしたボットは、顧客に不評である自動音声メニューに代わって使用されることが多いです。

デジタルパーソナルアシスタント

デジタルパーソナルアシスタント(DPA)は、カレンダーの予定を作成する、天気などの情報を見つけるためにWebを閲覧する、といった管理タスクを実行するために設計された音声認識のチャットボットです。よく知られている例が、GoogleのAssistant、AmazonのAlexa、AppleのSiriです。

多くのDPAは、ゲーム、音楽、スマートホームデバイス(Wi-Fi対応のサーモスタット)の制御、コンパニオンシップケアなど便利な機能を提供します。

チャットボットのほかの用途

普及しつつあるチャットボットには、次のような新しい用途があります:

  • 情緒的サポートボット - こうしたボットは治療用途のために設計されています。コンパニオンシップケアを提供したり、ユーザーが問題や成功/マイルストーンを共有する場を提供したりします。
  • 教育玩具 - 子どもの言語能力を伸ばすのを助けるように設計されたチャットボット機能付き玩具の市場が成長しています。たとえば、チャットボット内蔵のバービー人形があります。
  • 内部プロセス - 一部の企業は内部プロセスの支援にチャットボットを利用し始めています。たとえば、人事チャットボットは非常に一般的になりつつあります。

悪意のあるチャットボットはあるか?

良いボットと悪いボットがあるように、良いチャットボットと悪いチャットボットがあります。悪意のあるチャットボットの一般的な例としては、次のようなものがあります:

  • スパムチャットボット - 不要な広告を挿入する会話を見つけるために設計されたソーシャルメディアチャットボットがあります。多くの場合、こうしたボットには、本物の人間のように見せかけるためのプロフィールがあります。
  • ハラスメントボット - チャットボットはオンラインでの嫌がらせやいじめに使用されることがあります。こうしたボットは、本物の多くのユーザーが嫌がらせをしているよう被害者に感じさせようとして、大量の不快なメッセージやコメントをユーザーに送り付けます。
  • 偽情報チャットボット - こうしたボットは、ソーシャルメディアの投稿やダイレクトメッセージを通じて偽情報を広めるために設計されています。こうしたタイプのボットが、世論を動かすために、2016年の米国大統領選挙までの数年間に使用されたという強い憶測がありました。
  • 救急サービスの妨害 - チャットボットが救急サービスを妨害することもあります。たとえば、電話チャットボットは緊急通報用回線(110、119など)を飽和状態にすることができます。こうした妨害は、サイバーテロの適用基準に当てはまるものであり、多くの救急サービスはこうした種類の攻撃に対処するためにセキュリティを強化しています。

悪意のあるチャットボットを阻止する方法

ボット管理サービスを使用すると、悪意のあるボットトラフィック検知して、Webサイトやアプリへの到達を防ぐことができます。Cloudflare Bot Managementはそのようなサービスの1つであり、数百万のインターネットプロパティからのデータを活用して、悪意のあるボットを特定して行く手を阻みます。小規模なサイトでは、Cloudflare ProおよびBusinessプランで利用可能なSuper Bot Fight Modeを使用して、悪意のあるボットを阻止することも可能です。